がんばれ、ラビオ! がんばれ、ラグビー! 日本戦占い
2019年9月13日(金)、朝6時30分に札幌から車で小平町へ向かいました。
この日は、タコ箱漁オーナー(主催:阿部喜三男・運営事務局:株式会社ひとと)特別企画「タコのラビオによるラグビー日本戦占い」の開催日でした。
余興ともいえる気軽なお遊びなのですが、やるからには真剣。事前にマスメディアにニュースリリースを配信し、各社に公開占いの取材をお願いしていました。
小平町臼谷漁港に到着したのは午前9時30分ごろ。すでに報道の方が来ていて、さっそくNHK留萌支局の方やフジ系列uhbの女性記者と名刺交換をしました。その後、ぞくぞくとTVクルーが到着。
私たちひととの運営スタッフとタコ漁師の阿部さんはおソロの赤のTシャツに身を包みました。(阿部さんはラガーマンみたいでしょ!)すでにブルーのタコTはあるのですが、今回はラグビーに合わせ日本の赤に白いボーダーを入れたものをつくりました。(売りたくなるほど、かっこいいです!)
ラグビーファンの皆様、占いの結果はあくまで占いですから
天気は晴れ。予定は午前11時開始でしたが、10時過ぎには道内全局と北海道新聞の記者が揃いましたので、午前10時30分にラビオ君占いを始めました。
円形の子供プールを日本ゾーン、対戦国ゾーン、引き分けゾーンに白テープで分け、キックオフから2分でノーサイド。その2分ジャストの時点で、タコのラビオ君がいた陣地が占い結果となります。
果たして、その結果は・・・・
日本対ロシア戦は、ロシアの勝ち。
日本対アイルランド戦は、日本の勝ち。
日本対サモア戦は、サモアの勝ち。
日本対イングランド戦は、イングランドの勝ち。
ラグビー占いは1勝3敗。日本は予選ステージを突破できないという占い結果になりました。
もしもは禁物ですが、最初に国旗を逆にしておけば・・・
その時、「ああ~あ」と、ため息をつき、後悔の念にかられました。日本と対戦国の陣地は、占いごとに変えました。
もしも、最初に逆の国旗をセッティングしていたら、3勝1敗。唯一負ける相手が世界ランク1位のアイルランド。こちらの方が誰もが納得の現実感のある占い結果と言えます。そして占い通りになったら、スタッフは日本のラグビーファンと共に肩を組んで喜び合うことができたでしょう。
しかし、現実の占い結果は、1勝3敗。「ラビオ、なにやってるんだ。頼むよ~」と心の声で、ラビオに突っ込みを入れずにはいられませんでした。これでは万が一当たってしまっても、ラビオのすごさには感心しつつも、「当たりました!」って大っぴらに喜べないでしょう。
占いのためならば、ラビオは何度でもヨミガエルのだ
ところで、当日は、記者さんに一番聞かれたのは、次の質問です。
「今回の占いは、ラビオ何号ですか?」
私たちにとって、ラビオはラビオであり、何号というのはないのです。ただ、放送やネットニュースなどで報道するには「ただのラビオ」というわけにはいかず、各社には「ラビオ3号」という風に伝えました。
ラビオは1年と2か月ほど前にミズダコが特産品である小平(おびら)町の逆さ読みから名付けたものです。ほかの候補名案など何もなく、瞬時に浮かんで決めました。ただ、何かに使用されていたら嫌なので、ネットで調べたら、フランスのサッカー元代表のアドリアン・ラビオにヒットしました。サッカーつながりだから、まあいいかと思いました。
このまあいいかっていうのは、2018年6月19日に「サッカー日本戦占い」を行うことに決めていたからです。
昨年は出荷する前のミズダコ・ラビオに、サッカー日本戦を占ってもらいました
当日はタコ箱漁オーナー後期1回目の引き揚げ日で、朝6時30分に後期オーナーのタコ箱漁へ出発。9時前には臼谷漁港へ帰ってきました。
その時、漁獲した何杯かのオーナーのタコとは別に、阿部さんの通常の漁で得たタコを水揚げしました。
普段は、その船から50メートル先にある阿部さんの浜小屋でタコをさばき出荷の準備をします。
その出荷前のタコをラビオと名付けて占うのが私たちのサッカー日本戦の企画でした。
ですから、ラビオは特定のタコを示すものではなく、阿部さんが獲ったタコをすべてラビオになるのです。
私たちにとって最初から「当たり前」と思っていた設定だったのです。しかし、世間の目やネット住民の声は違っていました。
3試合すべて的中!奇跡のラビオが一転、悲劇のラビオに
ラビオの占いは、コロンビア戦(勝ち)、セネガル戦(負け)、ポーランド戦(引き分け)のすべてが当たり、「半端ないってラビオ」として世間より注目され、賞賛されるはずでした。
ところが、時を同じくして、こんな記事が配信されました。
「ラビオ、出荷されていた!」
そこから、予想外の、クレームの嵐が巻き起こりました。
「日本戦の勝敗を当てた縁起のいいラビオをなぜ出荷した!」
「出荷するなら、最初から名前なんか付けるな!」
「出荷しないでほしかった。ラビオが可哀そうだ!」
この声に驚いたのは、私たちです。ラビオはペットのタコではありません。漁師がタコ箱漁で獲ったタコなのです。常日頃から生産者に寄り添って仕事をしているため、漁師が獲ったタコを出荷するのは当たり前だと思っていました。また、名前を付けたことに対しては、単に「ミズダコが占いました」というより、「ラビオ君が占った」と伝えた方がSNS時代に合っているし、報道もされやすいだろうと考えたからです。
ヤフーの話題ランキング2位は、夢の跡のような感じ
このラビオ出荷騒動の発端は、予選リーグをことごとく当てたラビオに対する記者の質問に対し、阿部さんが「ああ、あの占ったタコ?もう出荷しちゃったよ」と答え、それが道内で放送されことが始まり。そのニュースは全国に配信され、弊社の支社がある宮古島までラビオの話題が届きました。
ともあれ、当時は大騒ぎになる前に、ラビオについて事前に皆様へキャラ設定をお伝えしておけばよかったと大いに反省しました。
幸い、漁師が獲ったタコだから出荷もやむなしと、理解して下さる声もあり、ヤフー話題ランキングの2位までのぼりつめたラビオ騒動は終息へ向かったのでした。
当たっても、当たらなくても、ノーサイドということで
ラビオ騒動を今振り返ると、タコをさばく、タコを出荷するという生産者の日常業務の情報が足りていなかったのではないかと思います。食べ物はスーパーに売っているものではなく、それを命がけで獲っている人、精魂込めて作っている人が漁港や田畑にいることをきちんと伝えていかねばならないと。漁師や農家と食べる人のマッチングというのは、こういう出荷の現状を知ってもらうことも大切なことなのだと肝に銘じました。
というわけで、昨年のサッカー予選リーグを占ったラビオが1号、決勝トーナメントの日本対ベルギー戦を占ったのがラビオ2号。今回のラグビー占いは、ラビオ3号の出番となったわけです。
さて、この原稿を書いているのは2019年9月19日午後5時。明日20日はいよいよ日本対ロシア戦の試合があります。
ガンバレ日本!
日本の勝利のために、ラビオ君の占いが外れることを祈っております。